2015年モデルのMacbook Proをお持ちの皆さん、SSDドライブの容量は足りていますか? 新たなMacユーザーとして、macOS Montereyが楽しみな反面、2015年モデルのMacbook Proにはまた酷な時期になりました。
128GBモデルの人はツライことでしょう。
私もCatalinaとBig Surにアップグレードする際、SSDドライブの空き容量が足りなくてアップグレードできない場面に遭遇しました。(アプリを削除して対応)
2021年10月前での最新OSはBig Surが動作します。この2015年モデルは次のMontereyもサポートされ、恐らく少なくても翌年1回〜2回先まで最新のOSがサポートされそうです。
ただ、容量が切迫しているのは変わりません。SSDドライブの速度もそんなに速くないことも不満ですね。
そこで、内蔵されているSSDドライブを1TBに交換して延命をすることにしました。OSのアップグレードくらい余裕を持って行いたいからです。
他所でも扱っているネタですが、ここでは2015モデルのMacbook Pro 13.3インチの例としてご紹介しておきます。
できそうだな、と思ったらリスクはご理解の上、トライしてみてください。

2015年のMacbook Pro

正式名が「MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015) 」、モデル名「A1502」、「EMC2835」、型番「MF839J/A」
MF839J/Aは、CPUが2.7GHz(最大3.1GHz)SSDドライブ容量が128GB、メモリーが8GBのモデルです。
Macの製品はモデルの年で区別できます。
SSDは交換できるの?
2015年モデルも元々、交換できるような作りにはなっていません。ネジをハズした時点でサポートが切れます。既に保証切れ製品だから躊躇はありません。
Macbook2015年モデルはPC自作の経験があれば比較的に簡単でした!
2009年〜2012年のMacbook Proは、SODIMMメモリーが交換できるようになっていたり、基板にコネクターがあるタイプでした。
2017年以降のMacbook Proでは、マザーボードへ直付けなので、部品を汎用品と交換はできません。
その点でいえば、2015年のモデルは、SSDドライブがコネクターで外れる最終モデルです。そのままでは接続はできませんが可能なんです。(アダプタが必要)
また、OSが初期のSnowLeopardなどではダメです。少なくてもMojave、できればCatalinaやBigSurなどまで上げておきます。
今回はインストールされているOSがCatalinaで、BigSurのUSB起動DiskをUSBメモリーに用意しました。
必要な機器
結論から言います。
Macbook Pro 2015ですと、NVMe、PCIe Gen3、最大4レーンの規格です。M.2 2280の規格でもあります。細かくいうと、メモリーチップが片面しか付いていないが望ましい。
- NVMe
- PCIe Gen3
- 4レーン
- M.2 2280
- 片面チップ
同じM.2 2280でも、Mac純正は長さが異なります。通常の市販品では用をなしません。
今回選んだのは、純正よりも読み書き性能をアップさせるためもあり最大値が取れる物を選びました。オーバースペックでもリミットで動作しますが、発熱が心配なので敢えて選ばないことにしました。
SSDドライブにはアンペア数が表示されていて、1.7Aや2.5Aなど違いがあります。
消費電力と性能をバーターで考え1.7Aの製品にしたかった。その理由で選択しました。
販売している中には、Mac専用品のSSDも存在ます。
これが高い。5万円くらいします。あまり現実的ではありません。
専用品ならアダプタは必要無く、そのまま交換して差し込めます。スンナリと動作するでしょう。
今回は費用面からアダプタを噛まして接続することにしました。
今回購入した製品(SSDとアダプター)
噛ますアダプターも、どのSSDドライブと組み合わせが良いのか最初は検討もつきません。
いくつかあるSSDドライブ製品の中で、2015年モデルでもネットに実績報告のあるアダプタにしました。購入するSSDドライブのメーカーによっては上手くいかない場合も出てくるでしょう。
ある意味、この記事も実績報告になりますね!(この記事はまさに交換したMacbookで投稿しました)
問題ないどころか、快適に使えていることを重ねてお伝えしておきます。

成功した組み合わせ例はこれ!
記事執筆時点でコスパも良く信頼のメーカー製。容量も1TBなら128GBから大出世です。
速さも最大2,400MB/秒で、発熱も少ない1.7Aのモデルです。

必要なアダプタは、MacBookの型番だと、A1465、A1466、A1398、A1502に対応しているものです。それぞれ128GB、256GB、512GBのSSDドライブが純正だったものです。
2015年のMacBookは吊るしで購入したので128GBでした。
工具はありますか?
Macbookを開けるのに必要なドライバーを持ってなければ、専用のドライバーも必要です。星形のネジなんですよ。
それも小さい径。
私も手持ちがT6〜上しか無かったので、改めて購入しました。さすがにP5は持っていなかった。

起動用としてUSBメモリーも必要になります。32GB程度で良いので、なければ合わせて購入してください。
手持ちが余っていて32GBの物であれば構いません。起動用に使うだけですからね。
購入する物の確認
- 交換用SSDドライブ(規格通りかどうか)
- USBメモリー
- MacBookproを開ける工具一式
あながちAmazonのレビュー欄も捨てたもんじゃ無い
MacBook Pro 2015で動作するSSDドライブを探す中、Amazonのレビュー欄が参考になりました。
どのSSDドライブ(NVMe)も良いわけではないからです。
この記事でご紹介した以外にも動作する個体はあります。しかし、メーカーとしての信頼性や、販売価格との兼ね合いから、選ぶのは難しかった。
そんな中で、レビュー欄に同じMacBook Proで動作した旨を発見しました。これはAmazonだけではなく、他の販売サイトでも複数確認したので、少し安心しながらトライできましたね。
後から調べたら、当時のMacBook ProはAmazonの整備品でも販売されていました。
MacBook Air 2015もSSDドライブが交換できている情報も拝見しましたので、もう1台買っちゃおうかな。

では、次の項目から実際に交換する手順を載せています。
SSDドライブを交換してみたい人は参考にしてください。もちろん、自己責任でお願いしますね。
事前準備
いきなりSSDドライブを交換する前に必要なことが2つあります。
1.起動用USBメモリー
先に用意しないとならないのが、USBメモリーにMacの起動Diskを作ることです。
BigSurならAppStoreや自動更新からイメージをダウンロードして、ターミナルにコマンドで作成できます。
sudo /Applications/Install\ macOS\ Big\ Sur.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume
macOS の起動可能なインストーラを作成する方法(Apple公式)
USBメモリーで作成するのは、当然ながらSSDドライブを交換する前に済ませておきます。
2.TimeMachine(タイムマシン)でのバックアップ
Macを使っている人なら必須になっているTimeMachine(タイムマシン)でのバックアップも改めて取っておく必要があります。
SSDドライブを交換した後、または復元としてデータを戻すために、最新のバックアップが必要です。
別の外付けHDDへバックアップを取るのが簡単かなと思います。
私は今回、NAS内にあるTimeMachine(タイムマシン)データを使って復元しました。
心配なら有線LANケーブルでの接続をオススメします。これは確実です。Wi-Fiのパスワードも必要ありませんからね。
MacbookProにはLANケーブルが刺さりませんから、USB接続の外付けHDDでタイムマシンを利用している人もいらしゃるかな?
以上の2つが準備できれば、実際にSSDドライブを交換していきます。
※OSがCatalinaで、別のNASにバックアップしているTimeMachineへWi-Fi経由でも難なく動作しました。時間は掛かりますが問題ありませんでした。意外で驚いた。
事前に確認したい
- USBメモリーに起動用イメージを書き込む
- 現在のバックアップデータを別のストレージドライブにバックアップする
交換手順
事前の準備として起動用のUSBメモリーと、TimeMachine(タイムマシン)でのバックアップは完了しましたか?
準備がOKなら、物理的な作業に進んでいきましょう。
- Mac起動用メモリーの作成
- TimeMachine(タイムマシン)でバックアップ
裏蓋を開ける
専用の精密ドライバーでハズしていきます。

ネジは10箇所あり、ネジ長は黄色枠が1.3mm、赤枠が1.1mmです。
あまり強く回すとネジ山を舐めますから、ゆっくりと確実に回します。ネジがとても小さいため、なくさないように注意。

赤枠の2本だけ他とは違い短い。取り付ける際に間違えないように。
中央からやや下の部分のツメ2箇所で止まっています。垂直にはめるタイプなので、アルミが曲がらない程度に引っ張ってあげます。
逆に元に戻す際にはツメをはめるため少し押して止めます。「パチ」と音が鳴ればOK。
バッテリーコネクタを外す
電源を抜いてあってもバッテリーで通電しています! むやみにドライバーの先などが触れないように注意!
特にバッテリーには触らないようにしましょう。
写真②の部分。
通電を止めるため、バッテリーとの接続コネクターを外しておけば安心です。ただ、コネクターが少し堅いので、力ずくで壊してしまいそうなら、そのまま作業するしかありません。が、通電しながらはあまりオススメしません。
黒いT字型シールの上部だけそっと剥がせばコネクター部分が見えます。(Tの突起部分)シールはまた貼ります。

何度も書きますが、SSDドライブを取り替えるだけとはいえ、バッテリーで通電しているのはあまりよくありません。どうしてもコネクターが抜けない場合は、仕方なくそのまま慎重におこなってください。(基板に触れないように注意が必要)
バッテリーにも触れないよう細心の注意を払って作業すれば、交換作業そのものは難しくはありません。
純正のSSDを外し新しいSSDを取り付ける
取り外すのには、T5のドライバー(トルクス)で1つ外す必要があります。取り付ける際に同じネジを使用できます。
新しいSSDは予め購入したアダプターを取り付けておきます。ここでしっかりとハマっていないと認識しなかったり、エラーで止まったりしますので、確実に奥まで差し込みます。
純正のSSDドライブを基板から外すには、取り外したネジ側を1cmくらい持ち上げてから抜きます。斜めに接続することになるので、ここも無理なチカラは加えないように注意しましょう。
基板に取り付ける際もSSDがスンナリと収まる位置まで確実に接続します。


感覚的には、持ち上げる角度として、最大で45度までに意識して接続しました。
裏蓋を戻して完了

SSDドライブを付け替えることは、それほど難しいことではありません。
あとはキチンと認識してくれるのを祈るばかりです。
片面のSSDモジュール
メモリーのように片面のみチップが載ったタイプと両面のタイプがあるようです。今回のSSDドライブは片面タイプでした。

macOS起動用USBメモリー
取り付けたSSDドライブは何も入っていません。先に用意した起動するためのUSBメモリーを差し込んでから起動します。
その際、リンゴマークが出るまで option キーを押しっぱなしにして起動させ、USBメモリー側を起動します。


ディスクユーティリティ
起動するとディスクユーティリティなどを選べるメニューが現れます。
ディスクユーティリティから該当のSSDドライブを消去することでフォーマットします。
- APFS
- GUIDパーティション
あとはメニューに戻ってタイムマシンから復元するか、そのままOS(今回はBigSur)を新規でインストールするか選びます。
- タイムマシンから復元させる?
- 新規インストール?
新規でインストールしても、macOSを起動した後のセットアップ中に、タイムマシンから個人データを復元することが可能です。

タイムマシンからの復元は、人によって時間がかかると思います。気長に待ちます。
タイムマシンの機能は本当に便利。macOSユーザーでよかったと思える機能の1つです。
以上で交換は終わりです。お疲れ様でした。
1TBに換装後
1TBにSSDドライブを完走した後、数値を計測してみました。
読込速度は、理論値でシーケンシャル最大2,400MB/秒、書き込み速度はシーケンシャル最大1,950MB/秒と比較的に高速です。
実際の計測では、読み込みは1427.3MB/秒、書き込みは1,278.9MB/秒でした。
倍速! 約600MB/s → 約1300~1400MB/s
少なくても純正のSSDドライブは、このモデルの場合、どちらも約600MB/秒程度だったので、倍速以上の数値になりました。

チェックされている項目も、1TBに換装前は2160p60などがチェックされない状態でした。ご覧のように交換後はすべてチェックが入っています! 性能がアップしたのは一目瞭然です。
速度も満足いきましたが、何よりも128GB(実質空きが20GB)から、一気に1TB近くまで増えたのは快適過ぎます!
これでサイズが大きなソフトウェアや、サイズが大きな動画データなどを扱うことが楽になりました。
MacBookでのSSDドライブの交換はちょっとリスクはありますけど、どうせサポートも切れている機種なので、思い切ってチャレンジして良かったと思います。
これでMacBookpro2015モデルでも、あと3年(2024年頃まで)は戦える機種になったと思います。
——結果的にLinuxとデュアルブートにしました。今ではほぼLinuxマシンとして活躍しています。
上手く行ったSSDドライブ
改めて、問題なく動作したSSDドライブとアダプターの組み合わせをご紹介しておきます。
一般的に容量が500GBより1TBの方が読み書き速度は速くなりますから、なるべく大きい方が望ましいです。バランス的にも1TBが適当ではないでしょうか。


専用品もあるが高い
対応しているか確認は必要ですが、TransendからMac専用SSDも販売されています。
こちらなら古いSSDドライブと取り替えるだけです。長さとコネクタが合っている。
ただ、お値段もそれなりにします。

2021年Macbook Pro

2021年10月18日に発表された新型「Macbook Pro」は待望のMagSafeコネクタの復活もありました。
ここでご紹介しているMacbook Pro 2015までがMagSafeコネクタだったんですよね。
私などMagSafeが当時に購入した理由の1つでもあります。当然ながらタッチバーなるものが付く前のモデルです。
microSDカードスロットもHDMIコネクタもこの2015年モデルは付いているんですよ。便利。
CPUこそ古いCore i5とはいえ、SSDドライブが1TBになったおかげでバリバリの現役に見事に復活です!
しかも、所有しているMacbook Pro 13インチ 2015は、バッテリーを交換しています。
バッテリーを交換した際、変形してしまったアルミの外装も交換してくれ、LCD液晶画面も交換したので、新品に近づいた新古品になりました。キーボードだけは当時のそのまま。
SSDドライブの容量アップ、読み書き速度のアップも相まって、かなり新品に近い状態になりました。これでまた3年くらいは使えて大満足の結果でした。
バッテリー交換した記事もご参考までに合わせてご覧ください。

ホント、MacBook 2015は名機ですよ。