オーウェル評論集 (岩波文庫) はなかなか手に入らない書籍だからKindle版がいい
読書家とは言えないけど、読書は欠かさずしてきた生活でした。だから、ジョージ・オーウェルは知っています。しかし、1984を昔に読んだくらいでエッセイなどは読んだことなかった。ふと思い出して「一杯のおいしい紅茶」「パリ・ロンドン放浪記」を読みました。いや、面白い。
そんなに冊数が多い作家ではないので、あまり追っかけるつもりも無かったのですけど、評論集として短編とエッセイ風の評論が発売されていることは知りませんでした。
この評論集は今ならKindleで手軽に読めます。
エッセイが面白い
この評論集は、紙の本となるとプレミアが付いてそれなりのお値段。いや、価格よりも状態が良い本というのは現実的ではありません。1982年出版だからです。
なんとKindle版が出ているじゃないですか?! しかも読み放題のラインナップにも入っている。これは読みたい。仮にKindle版を購入するにしても1,000円くらいなので良心的です。
私のようにまだ未読の人におすすめです。
-目次-
なぜ書くか
絞首刑
象を撃つ
チャールズ・ディケンズ
鯨の腹の中で ヘンリー・ミラーと現代の小説
書評 アドルフ・ヒットラー著『わが闘争』
思いつくままに
ラフルズとミス・ブランディッシュ 探偵小説と現代文化
英国におけるユダヤ人差別
P・G・ウドハウス弁護
ナショナリズムについて
出版の自由 『動物農場』序文
解説書籍より
オーウェルって実はエッセイの方が面白いのではないかと思っています。1984は今の時代でも納得感がありながら、やはり少し古くさい内容に感じます。
その点、エッセイはノンフィクションとして当時の世情も加味して読めるから、なんとなく貴重で興味深く読めますね。
特に「一杯のおいしい紅茶」は面白い。オーウェル関係なく世界大戦前後のイギリス人の生活が垣間見られ、今と変わらない人々の考えだったり、今では有り得ない状況が普通だったり(変人が多い)、僅か100年も経たないのに現代は幸せだなと感じられたりします。
同じ時代の日本の生活を思い起こせば、逆にイギリスってやっぱスゲーな、っても思うし、なんだ現代の日本はってのも思います。
古いイギリス人の本だから、どうしても馴染めない部分もあります。表現方法がどうしてもブリティッシュ・ジョークが多く、日本人には鼻につきますよね。
それを踏まえてもオーウェルって小説家というよりエッセイストの方が優れているんじゃないかな。よく知らないですけど、そう思います。
Kindleと書籍
オーウェルだけじゃなく、なかなか手に入らない書籍がKindle本になっていると得した感じを受けます。プレミアが付いた古本も好きですし、所有したい気持ちもありますが、どうしても本の状態は良くないですからね。Kindleで読めちゃえばプレミアでもなくってくるからアレですけど、単純に読みたいならKindleで十分です。
hontoなんかでやっていた書籍版を購入すれば電子書籍が安くなるというのはAmazonでもやって欲しい。Kindleで読めれば良いのですけど、会員を辞めても紙の本ならいつでも読めますからね。だから同じ電子書籍と紙の本を購入することもあり、そうなると倍近い金額になってしまうからなー。
Kindleのデメリットとして、Kindle本しかないのかどうか一目瞭然ではないところです。後からリリースされるのは仕方ありませんけど、ザックリと調べるのが大変。タイトル別なら分かりますけどね。
この辺の情報が欲しいから、きんどうさんのようなサイトが流行るのだろうな。
紙の書籍がなかなか入手できない作品がKindleで読めるのは嬉しいですね。